失神外来
失神の起こりやすい年齢は、若年と高齢者の2つのピークがあり、様々な年齢の方への対応を行います。
なかでも、命に関わる心臓の病気を見逃さず治療につなげられるように、
当院では不整脈の専門医による「失神外来」を立ち上げました。
失神外来について
失神とは?
一過性の意識消失の結果,姿勢が保持できなくなり,かつ自然に,また完全に意識の回復が見られることとされています。
失神患者さんの多くは、意識が回復したあとは無症状なため、
命に関わる見逃してはいけない病気の発見が遅れてしまうことがあります。また、失神は繰り返しおこる傾向があり、
失神をした際にけがをするなど、生活に及ぼす影響が少なくありません。
失神の原因となる疾患
失神の研究は古くからされておりますので、原因や病態が概ね解明されています。
6〜8秒間、脳に血液が運ばれないと意識を失うと考えられています。
失神の原因となる病気は、大きく分けて次の3つに分類されます。
起立性低血圧(きりつせいていけつあつ)
寝ている状態から急に起き上がると、血液はお腹の臓器や足の方に移動するため、心臓からの血液量が減少し血圧が下がります。
健康な状態では、血圧を保つようにうまく調整できますが、脱水状態などの特殊な状況では、起き上がったときに血圧が低下し、失神することがあります。
神経の調節障害による失神
長時間立っているとき、座っているとき、強い痛みを感じたときなど、精神的・肉体的ストレスにさらされた状況で、自律神経の調節障害により失神することがあります。
また咳や排便、排尿後、首を圧迫した後などに血圧が急に下がって失神することもあります。
心臓病が原因の失神
不整脈の中には、極端に脈が遅くなったり、速くなったりすることで、脳の血流が低下し(いわゆる「脳貧血」)、一時的に意識を失うことがあります。
また重症の弁膜症や心筋梗塞、心筋症、大動脈解離などでも失神することがあり、いずれも命に関わる恐ろしい病気です。
診断、検査
失神の診断には、発作がいつ、どこで、どういった状況で、どれくらいの頻度で起きているかを確認することが重要です。
また、失神には前触れをともなう場合があり、失神直前の行動も診断に結びつきます。
さらに意識を失った時の状態(どのように倒れたか、など)は患者さん自身がよく分からないことも多いので、目撃者の話も参考にします。
一般的検査
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心電図
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レントゲン写真
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心エコー検査
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血液検査
特殊検査
ホルター心電図、
イベントレコーダー
日常生活における心電図を記録できる検査です。小さい検査装置を貼り付け帰宅していただきます。
最大2〜3週間まで不整脈を検出することが可能です。
弁膜症
運動したときの心電図、血圧を調べる検査です。
不整脈や狭心症、心筋症などが隠れていないかを調べます。
大動脈瘤
神経反射性失神を調べる検査です。
専用の検査台を使用し、長時間の立位時に失神が生じるか確認します。
冠動脈CT検査
狭心症、心筋梗塞などを調べる検査です。そのような病気が疑われるときはカテーテル検査で詳しく調べる必要があります。
心臓MRI検査
心筋の状態や動きを調べることにより、心筋症などを診断できる検査です。
植込み型心電図計
4~5cm程度の小さな心電図の機械です。1-2分の処置で皮膚の下に挿入することが可能です。挿入後は、常時心電図を記録することが可能です。
実際の診療
失神の診療には詳しい病歴調査や検査などが重要ですので、外来は完全予約制です。
当院では不整脈を専門とした医師が診察、診断を行い、失神の原因究明と治療を行っています。
失神外来のご予約は
こちらから
- 毎週土曜日
- 完全予約制
予約受付時間 月~金曜日 8:30~17:00、
土曜日8:30~12:00
医師からのメッセージ
このような失神を経験された患者様は、「次、倒れたら怖い」、「いったい何の病気なのだろう」、
「何科を受診したらいいのだろう」などという不安をお持ちだろうと思います。
この失神外来は、上記のような症状に対して専門的に検査や治療を行なっている道内でも数少ない外来です。
まずはお気軽にお電話をいただき、失神外来への予約をお待ちしております。
札幌心臓血管クリニック
循環器内科
きたい北井
たかゆき敬之
2007年防衛医科大学
医学教育部医学科 卒業
札幌心臓血管クリニック
循環器内科
もりた森田
じゅんじ純次
2010年名古屋市立大学
医学部医学科 卒業
札幌心臓血管クリニック
循環器内科
かさい笠井
ゆうへい裕平
2016年東京慈恵会医科大学
医学部医学科 卒業