臨床研究戦略部
当院は“患者さんのアウトカム改善につながるデータ”や“診療現場に生かせるデータ”を世界に向けて発信することを目指しています。
当部は治験・特定臨床研究・多施設共同研究・レジストリの管理・サポートを行うとともに、データベース構築の補助を行っています。
また当部コーディネーターは現場に貢献することに焦点を定めており、研究面だけでなく診療面においても当部への業務依頼は増加しています。

総 長(アジア医療グループ統括):小谷 順一
- 略 歴
- 1994 川崎医科大学卒業
- 1996 関西労災病院
- 2001 Washington Hospital Center (USA)
- 2006 大阪大学大学院医学系研究科
- 2010 国立循環器病センター(CCU 医長)
- 2014(株)JAST/ 小谷医院
- 免許・資格・所属学会など
- 日本循環器学会専門医
- 日本医師会認定産業医
- 米国心臓病学会正会員(FACC)
- 米国心血管治療学会正会員(FSCAI)
アジアメディカルグループすべての関連病院にはRIE(Research, Innovation, Education)の理念があります。この中のresearch(=研究)において、札幌心臓血管クリニックの臨床研究戦略部はグループ内における先進的なシステムの創造と応用という役割を担っています。
臨床研究とその基礎情報となるデータベースは車輪の両軸の関係です。データベースの評価は一般的に2次利用の簡便さで評価されがちですが、前提としてその匿名化されたデータを活かすための入力から項目の抽出と多岐に亘るシステム構築が必須です。登録数を伸ばしながら限られたスタッフの数でデータの質を担保するためには、重複した作業を排除して、正確な1次入力とその流用を最小単位である院内の各部門に届ける機能が必要です。システムの完成度は、マクロ視点におけるグループ内のみならず国際的な共通プラットフォームの運用に相関します。この応用として、現在統合データベース構想が進行中です。統合とは各病院内でのデータの共有化だけでなく、多施設との共通プラットフォームの構築で、ビッグデータの運用を念頭に置いたシステム構築です。
グローバルな観点から見てみると、単部門術施行数(例えばPCIの件数)のみで年間2500例を超える施設は標準的ですが本邦ではあまり例を見ません。ハイヴォリュームセンターでは、インターフェースからの直接的なデータ処理や日進月歩で進化するそれを取り巻くシステムを補完するデータセンターの存在も必然ですが、その由来から、これらのシステム構築は海外での応用も期待されます。RIEでは、増大する仕事量の負荷を個々の能力や努力に依存して解消するという従来の根性論ではなく、各自がやるべき仕事に対してプライドを持って質を担保するという意識改革システムの創造と導入を持続可能な開発目標としています。臨床研究戦略部を軸としたこれらのシステムの構築は、その表現型の1つでもあります。

部 長:只野 雄飛
略 歴:北海道上川郡鷹栖町出身。1998年 旭川東高校卒、2004年 旭川医大卒。
大阪赤十字病院、京都大学附属病院、三菱京都病院、湖東記念病院をへて2014年5月より当院赴任。
診療に役立つような幅広い情報を現場へフィードバックすることを目指しています。北海道各地のサラライト病院での外来診察も行っており、患者様目線を意識した診療を心がけています。研究においても、患者様のお考えを徹底して尊重します。
臨床研究戦略部の基本方針
- 患者様の負担を最小化すること
- 患者様の権利に配慮して参加する研究を選定し、研究参加に伴う患者様の負担を最小限に抑えています。
- 現場第一主義であること
- 我々は臨床現場への貢献にこだわっています。臨床研究の立場にいて“現場第一”とは一見矛盾すると思われるかもしれませんが、
実臨床の現場を熟知することは質の高い研究成果へ直結すると考えています。
- 研究倫理を重んじること
- 倫理的側面に配慮し、昨今問題となっている“研究不正”には一切手を染めません。
各部門のご案内
- コーディネーター部門 6名
- 現場医師の診療業務のサポートを行います。
多施設共同研究を中心とする臨床研究の事務的管理を行います。
- データマネジメント部門 6名
- 当院が各種施設認定を維持していくため、義務づけられたデータ登録や事務手続きを行います。
アジアグループ統合データベースの構築・運用を補助します。
研究名 | 分類 | 分野 | 責任 医師 |
担当 |
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INVICTUS | 臨床研究 | 虚血 | 金子 | 粟木 |
IMR研究 | 臨床研究 | 外科 | 光島 | 粟木 |
重症虚血性僧帽弁閉鎖不全症に対する乳頭筋吊り上げ術を追加した僧帽弁形成術の有用性に関する多施設共同研究 | 臨床研究 | 外科 | 光島 | 粟木 |
剖検例およびに弁膜症手術例における弁膜症疾患病理解析 レジストリ | レジストリ | 外科 | 八戸 | 粟木 |
破裂性腹部大動脈瘤に対する開腹手術とステントグラフト内挿術の治療選択に関する全国多施設観察研究 | 臨床研究 | 外科 | 光島 | 粟木 |
DAPPER | 特定臨床研究 | 虚血 | 佐藤 | 池田 |
TOPLEVEL | 特定臨床研究 | 虚血 | 佐藤 | 池田 |
CTO Expert registry | 臨床研究 | 虚血 | 鹿島 | 池田 |
J-PVAD | レジストリ | 構造疾患 | 八戸 | 池田 |
J-AB | レジストリ | 不整脈 | 北井 | 池田 |
JCDTR | レジストリ | 不整脈 | 北井 | 池田 |
J-LEX | レジストリ | 不整脈 | 北井 | 池田 |
J-PCI | レジストリ | 虚血 | 鹿島 | 池田 |
J-EVT | レジストリ | 末梢血管 | 鹿島 | 池田 |
ジャクスタピッド | 市販後調査 | 虚血 | 藤田 | 池田 |
レパーサ皮下注140mg | 市販後調査 | 虚血 | 只野 | 池田 |
サピエン3TAVinSAV | 臨床研究 | 構造疾患 | 八戸 | 石舘 |
コアバルブTAVinSAV | 臨床研究 | 構造疾患 | 八戸 | 石舘 |
ImpactTAVI | レジストリ | 構造疾患 | 八戸 | 石舘 |
JCVSD(TAVI) | レジストリ | 構造疾患 | 八戸 | 石舘 |
J-SHD(マイトラクリップ) | レジストリ | 構造疾患 | 八戸 | 石舘 |
TAVIレジストリ | レジストリ | 構造疾患 | 八戸 | 石舘 |
Mitraclipレジストリ | レジストリ | 構造疾患 | 八戸 | 石舘 |
J-LAAO | レジストリ | 構造疾患 | 八戸 | 石舘 |
Amplatzer PFOオクルーダー | 市販後調査 | 構造疾患 | 八戸 | 石舘 |
BURDOCK | 臨床研究 | 末梢血管 | 原口 | 板井 |
CUPSICUM | 臨床研究 | 末梢血管 | 原口 | 板井 |
Popcorn | 臨床研究 | 末梢血管 | 原口 | 板井 |
ASPARAGUS | 臨床研究 | 末梢血管 | 原口 | 板井 |
AVOGADO2 | 臨床研究 | 末梢血管 | 原口 | 板井 |
CAULIFLOWER | 臨床研究 | 末梢血管 | 原口 | 板井 |
Popcorn TypeR | 臨床研究 | 末梢血管 | 原口 | 板井 |
エキシマレーザ | 市販後調査 | 末梢血管 | 原口 | 板井 |
NCD(外科) | レジストリ | 外科 | 光島 | 加戸 |
JCVSD(外科) | レジストリ | 外科 | 光島 | 加戸 |
OPTIMA-AF | 特定臨床研究 | 虚血 | 小林 | 佐藤 |
OPTIVUS | 特定臨床研究 | 虚血 | 藤田/金子 | 佐藤 |
PRIDE-metal | 臨床研究 | 虚血 | 藤田/金子 | 佐藤 |
ARCADIA | 臨床研究 | 虚血 | 菅野 | 佐藤 |
STAR-ACS | 臨床研究 | 虚血 | 八戸 | 佐藤 |
J-PRIDE | 臨床研究 | 虚血 | 金子 | 佐藤 |
エンレスト | 市販後調査 | 虚血 | 松名 | 佐藤 |
エクソソーム研究 | 臨床研究 | 虚血 | 八戸 | 佐藤 |
プラズマワイヤ | 治験 | 虚血 | 鹿島 | 佐藤 |
ROVUS ASIA registry | 臨床研究 | 虚血 | 杉江 | 佐藤 |
心房細動アブレーション患者におけるGrid型電極を用いた左房双極電位波高マッピングに関する後ろ向き研究 | 臨床研究 | 不整脈 | 北井 | 畠山 |
心房細動アブレーション治療における臨床転帰調査とその予測因子の検討 | 臨床研究 | 不整脈 | 北井 | 畠山 |