リハビリテーション科
当院のリハビリテーション科には、心臓リハビリテーション指導士が在籍しており、
心肺運動負荷試験を行える方には適宜、それを用いた評価をさせていただいております。
昔は心臓病患者様には長期の臥床を医療者側が指導する時代もありました。
ですが、それが続くと筋力低下や寝たきりのきっかけになってしまうケースもあります。
そして、現在の心臓リハビリテーションでは、継続的に適切な負荷を運動療法として取り入れていく有効性が確認、推奨されております。
当院では安全に実施できるよう、患者様ひとりひとりに合わせた計画を立案して行っております。
心臓リハビリテーションとは
心臓リハビリテーションというものがあるのを、皆さんはご存知でしょうか。リハビリと聞くと、入院中に弱った体を鍛えるために歩いたり、運動したりする場面がイメージされやすいかと思います。
心臓リハビリテーションではそうした運動療法に加えて、看護師や薬剤師、栄養士やその他の医療スタッフが関わっていきます。その中で、今までの生活全般を見直して何故病気になったのか、今後注意していくことは何なのか、今後どうしていけばいいのかを含めて患者様と一緒に考え、治療し、再発予防を目指していくものです。
患者様に満足していただくために
当院での心臓リハビリテーションは、心臓カテーテルや外科手術後だけでなく、慢性心不全の患者様に対しても実施しております。しっかりと計画された心臓リハビリは、生活の質を高め、寿命を延ばすこともわかっていますので、当院では効果を出せるよう日々取り組んでおります。
心臓リハビリテーションの効果
- 効果1
- 体力を向上し、心不全の症状を軽減させることで日常生活での動きやすさにつながります。
- 効果2
- 狭心症症状を軽減させます。
- 効果3
- 心理的側面にも有効です。不安・抑うつを改善し、生活の質が上がったことを実感できます。
- 効果4
- 虚血性心疾患や心不全の長期予後、生命予後も改善します。
- 効果5
- 冠危険因子の是正（血中脂質，耐糖能，血圧，肥満）。
- 効果6
- 心臓への効果として、左室機能（安静時左室駆出率不変または軽度改善，運動時心拍出量増加反応改善，左室拡張早期機能改善）が改善されます。
- 効果7
- 心臓自体の血流をまかなっている、冠循環（冠動脈内皮機能改善，運動時心筋灌流改善、冠側副血行路増加）が改善します。
- 効果8
- 心臓の構造と形態の悪化（左室リモデリング）をさせない。心臓に負担がかかっていることを示す検査値（BNP）の低下にも効果があります。
- 効果9
- 筋肉・筋力増加や、持久力（好気的代謝）を改善し、抗酸化酵素発現増加も期待できます。
- 効果10
- 呼吸筋機能改善。血管の拡張反応（血管内皮機能）が改善し、高血圧への効果も期待できます。
- 効果11
- 炎症マーカー（炎症性サイトカイン（TNFα）低下，CRP 低下）の改善。
- 効果12
- 血液凝固線溶系の改善。
- 効果13
- 自律神経機能（交感神経活性抑制，副交感神経活性増大，心拍変動改善）の改善。
- 効果14
- 換気応答の改善、呼吸中枢CO2 感受性の改善。