医療法人札幌ハートセンター札幌心臓血管・透析クリニック

当院の特徴

当院について

札幌東区で長年地域の透析治療を支えていた宮岸医院から託され、2018年12月より札幌心臓血管透析クリニックとして開院。血液透析治療を引き継いでいます。道内有数のハートセンターである札幌心臓血管クリニックの理念「心を込めて」を基に、仁・義・礼・智・信の心構えで、常に自己研鑽しつつ、最先端の透析療法を心のこもったサービスで提供します。本院との連携を通じて患者様第一の透析クリニックを目指していきます。

透析療法とは？

腎不全の患者様において、腎臓に代わって人工的に体内の血液を浄化する働きを代行する治療です。透析療法を受けることで、尿毒症による死亡を回避することができ、制限はあるものの通常に近い形で生活することが可能になります。しかし、透析療法は腎臓の機能を回復する治療法ではなく、腎臓の機能を完全に補うことはできません。したがって腎臓移植を受ける場合を除いて生涯継続する必要があり、長く続けていると合併症を生じます。当院では、良質な透析治療を提供し、患者様がより良い人生を送ることができるようサポートしています。

透析治療の知識を広げるために

透析の方法の種類

血液透析(HD)：: 血液の体外循環により人工腎臓に血液を通して尿毒素を除去する方法です

腹膜透析(PD)：: 自分のおなかにある腹膜を使い尿毒素を除去する方法です

これまで我が国では、血液透析が97%、腹膜透析がわずか3%と、各国と比較（腹膜透析は平均10-15%)しても、血液透析が圧倒的なシュアを占めておりました。最近では、腹膜透析についても透析液、腹膜チューブ・管理方法が改善した結果、合併症が少なくなり、かつ心臓に対する負担が少ないことから、我が国でも腹膜透析導入が増えてきております。心臓疾患を数多く診療する当法人においてもこの度2024年4月より、従来の血液透析に加えて、新たに腹膜透析療法を開始しました。

血液透析
（HemoDialysis : HD)について

腕の血管（バスキュラーアクセス/シャント）に針を刺しポンプを使って血液を体の外に取り出し、ダイアライザー（透析装置）に循環させて尿毒素を除去した後、体に戻します。透析で使用されるダイアライザーは、血液透析において血液を浄化するための装置です。ダイアライザー内には多数の細い管（中空糸）が含まれており、血液が管内を通り、透析液は管の周囲を流れます。これらの管は透析膜から構成されており、微細な孔が開いています。透析膜は、水や小さな物質のみを通過させ、体内で必要な赤血球やタンパク質、有害な細菌やウイルスなどは通過できません。そのため、血液中の老廃物や不要な物質が透析液側に移動して除去される仕組みです。
2012年、医療保険適応となったオンラインHDF（血液透析濾過）は、比較的新しい透析療法であり、血液中の老廃物を従来の血液透析よりも効率的に除去する治療法です。当法人では2024年初めより、オンラインHDFシステムを当院で導入し、より良質な血液透析療法を提供しております。

腹膜透析
（Peritoneal Dialysis : PD）
について

腹膜透析は、腹膜（肝臓、胃、腸などの内臓表面や腹壁内面を覆う膜）を用いて行われる透析療法です。この方法では、腹腔内に特定の透析液を一定時間貯留させ、その間に腹膜を介して、血液中の老廃物や余分な水分・塩分が、透析液に移動します。そして十分に移動が終わった透析液を体外に取り出すことで血液を浄化します。
腹膜透析には、連続携行式腹膜透析（Continuous Ambulatory Peritoneal Dialysis, CAPD）と自動腹膜透析（Automated Peritoneal Dialysis, APD）の2つの主な方法があります。

①CAPD（連続携行式腹膜透析）
患者様自身が手作業で透析液を腹腔内に注入し、一定時間貯留させた後、排出する方法です。透析液の交換は、通常は日中に数回（3-4回が多い）行われます。患者様は透析液を体内に貯めた状態で日常生活を送ることができます。

②APD（自動腹膜透析）
機械を使用して自動的に透析液を腹膜に注入し、一定時間貯留させた後、排出する方法です。通常は夜間に行われ、患者様は機器に接続されて透析を行います。朝に透析液を排出し、日中は自由な時間を過ごすことができます。

腹膜透析は自宅で行うことができ、通院の頻度が少なく、生活スタイルに合わせやすい治療法です。また、血液透析に比べて体への負担が少なく、残存腎機能の保護にも役立つとされています。